2009年 02月 05日
「今月のお菓子はわらび餅です」 |
「わらび餅」というと皆さん夏に食すイメージがあるみたいなんですが
京菓子の世界では、立春を過ぎると作り始める早春の御菓子になります。
なので僕はわらび餅をみると「あーもうすぐ春やなぁ」って嬉しくなります。
少しずつですが暖かくなってきたような気がします。
わらび餅というと、餅をきな粉にまぶしたものがよく見かけられますが
哲心のわらび餅は中にはアンコがはいってます。
京きな粉の芳醇な香り
わらびのぷるぷるっとした食感
丹波篠山産大納言でつくったアンコの上品な甘さ
三位一体がおりなす和のオーケストラ♪
見た目も作り方もシンプルなだけに技量、そして材料の質の出る御菓子です。
さてさて、この材料の「純正なわらび粉」は
今は大変貴重な材料でございます。
蕨(わらび)の根っこを叩きほぐして、洗い出し精製したものなんですが
原料の採取や製造に手間がかかり収率が悪いので、
最近では製造者が非常に少なくなっているんです。
だからわらび粉は御菓子の材料の中で一番高いんですよ。
100グラムで哲心の天ざるが軽く食べれます。
びっくりでしょ。
そのためスーパーやコンビニで売っている「わらび餅」は
わらび粉の代わりにサツマイモやタピオカから取られたデンプンや片栗粉を
材料にして製造したものがほとんどで
本物の純正のわらび粉で作った「わらび餅」は
希少な高級品となっているんです。
今の食品業界は厳しく成分表示が義務付けられてる分
それを逆手にとって
わらび粉が0.1gでも入っていれば
成分表にわらび粉って書けてしまうんです。
ほとんどデンプンで出来ているのに「わらび餅」。
おかしなもんです。
純正のわらび粉は↑の写真のように黒色なんですよ。
2月、3月と2ヶ月に渡って「わらび餅」を作ります。
最初はオカンにめちゃめちゃ反対されました。
わらび粉はもちろんのこと、
こしあんも丹波産の大納言のみで作り
きな粉も京きな粉という最高級のものを使っています。
なので1個400円だと全然利益出ないんです。
売れ残ったりでもすれば大赤字になってしまいます。
でも、僕はお客様に本当の「わらび餅」を知っていただきたいんです。
これが「わらび餅」です。
そしてこんなに美味しいんですよって。
それを伝えることができれば
僕は和菓子職人としてこんなに嬉しいことはありません。
この機会に是非一度「わらび餅」食べてみませんか?
1日20個限定です。
毎朝一生懸命作って待ってます。
by tesshin2daime
| 2009-02-05 19:05
| 和菓子